前作「均衡」と同じく、プラスチックファイバーをもちいた作品。モータによって高速回転させる事で、鑑賞者は回転体による立体物を見る事ができる。
本作は陶芸における轆轤(ろくろ)を意識しており、足で回転を制御する事ができる。左足でフルカラーLEDの色を制御する事ができ、HSBのhueを255段階で制御し、最終的にはRGBで出力される。右足では、回転速度と回転体の直径を変化させる事ができる。右足の部分にフラットな板があり、その上にある物の重心を取ることで速度と直径に影響を与える。
もう一つのインタラクションは、手によることで様々な変化をおこすことができる。陶芸では、粘土と手の接点の軌跡により形が作られて行くが、本作では手と足を使いながら最終的な光の造形を作り出す。
プラスチックファイバーは50本を一束としているため、操作によってはバラけることがある。バラけることで疎密な部分ができ、大きな球体のなかに小さな球体がある。陶器と違うところは、透明な物体であるために大小の球体が重なって見えるところである。